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十一の酒・十五の酒

日本酒のパッケージ

日本酒を愉しむ会『吟趣康会』が、山形の地酒・辯天の蔵元『後藤酒造店』で小さなタンクを使用した特別限定醸造酒のオーダーメイド『別誂えの酒』で作っている日本酒のラベルデザインです。

『壱の酒』から始まった酒は、つくる年ごとに会員が「それぞれの想い」でラベルデザインをしていて、11年目の『十一の酒』と15年目の『十五の酒』をデザインさせていただきました。


『十一の酒』のデザイン

前年の酒『十の酒』のラベルが10を「充」と読み替えた漢字を配したデザインでした。会での「出会い」と、出会った繋がりが「続いていくこと」をテーマとしたかったので、充の字を「充→満→満月→満月の次→欠けた月」と読み替えていき、「欠けた月」「散る月の欠片」をメインヴィジュアルにしました。そして、「この酒は手にした人たちに欠けた月から幸せの星が降り注ぐ」「一人ひとりが心を交わす酒」というメッセージを込めて、それを短歌にして月の上に書きました。純米大吟醸原酒の文字は漢字が現在の形になる前の篆文体を元にデザインし、「じゅういちの酒」の文字もそれに合わせてアクセントにしています。


『十五の酒』のデザイン

『十五の酒』は造酒15回目という記念、自分も結婚式を目前としていた時期で、「時」「節」「変化」「流れ」などの言葉をキーワードとしました。
ヴィジュアルは、自分の結婚披露宴での乾杯酒に使わせていただくことをイメージしながら、吟趣康会が発足した1996年から、このお酒ができる2012年までの印象的な出来事やキーワードと、「十五ノ酒」という文字を分解し再構築した漢字、尾形光琳の紅白梅図屏風、鴨長明の方丈記などを組み合わせています。
私たちは今、予想のつかない変動の時代を過ごしていますが、失うもの、生まれるもの、変わるもの、儚くも、無情にも、力強くも進む様子は、このお酒ができる800年前、平家が源家に滅ぼされ、大地震、大火災、竜巻、飢饉など、平安末期〜鎌倉時代の激動の時代のことが書かれた鴨長明の方丈記にも想いが重なりました。
止まることのない時の流れは、川の流れのようであり、四季のようであり、沢山のレイヤーの重なりのように思えます。沢山の人が集い、それぞれの沢山の時が交わる吟趣康会もまた、その川の流れのようです。ゆく川の流れの中で、また新しい何かが生まれることを願い、多様なイメージの複合体をデザインしました。

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Release

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